【タッチ】上杉達也を徹底解説!投手としての能力(球速・球種)から人間的な魅力まで

【タッチ】上杉達也を徹底解説!投手としての能力(球速・球種)から人間的な魅力まで タッチ / MIX

国民的野球漫画『タッチ』の主人公、上杉達也。彼は、多くの野球漫画の主人公とは一線を画す、独特な魅力を持っています。
弟・和也の夢を継いだ「遅れてきた天才」は、投手としてどれほどの能力を持っていたのか。そして、なぜ彼の人間性は、これほどまでに多くの読者の心を掴んで離さないのか。

この記事では、上杉達也というキャラクターの全てを、①投手としての能力、②人間としての魅力、③彼を取り巻く人々との関係性、④描かれなかったIFの物語という4つの側面から、徹底的に解剖します。
彼の全てがわかる、究極のキャラクター解説書です。

なお、『タッチ』と続編『MIX』の物語全体の繋がりについては、以下の記事で網羅的に解説しています。

【タッチ】上杉達也とはどんな人物か?(和也の夢を継いだ“遅れてきた天才”)

上杉達也は、双子の弟である上杉和也と、幼馴染の浅倉南と共に育ちました。
弟の和也が野球部のエースとして将来を嘱望される一方、達也は優れた運動神経を持ちながらも特定の部活には所属せず、どこか飄々とした日々を送っていました。

しかし、和也の突然の死をきっかけに、彼の運命は大きく動き出します。
和也の、そして南の夢であった「甲子園」を目指すため、達也は野球部に入部。
弟が遺した夢を背負い、彼は“遅れてきた天才”として、その真価を発揮していくのです。

上杉達也の投手としての能力(球速・球種・フォーム)

甲子園を制した天才投手・上杉達也。そのベールに包まれた具体的な能力を、作中の描写から徹底分析します。

  • 最高球速は160キロ?新田が感じた剛速球の正体
  • 謎に包まれた球種と変化球(決め球はあったのか?)
  • 美しい投球フォームのモデルは実在する?
  • 投手としての最大の武器は「野球センス」と「強心臓」

最高球速は160キロ?新田が感じた剛速球の正体

作中で、達也の球速が具体的な数値で示されたことは一度もありません。
しかし、彼の球速を物語る、最も有名なセリフが存在します。

甲子園決勝で対戦した須見工業高校の天才打者・新田明男が、達也のストレートに対し、心の中で「160キロは出ていたように感じた」と驚愕するシーンです。
これはあくまで新田の体感速度ですが、当時の高校野球界では考えられなかったこの数字は、達也のボールが常識外れの威力を持っていたことを示す、象徴的な描写と言えるでしょう。

謎に包まれた球種と変化球(決め球はあったのか?)

達也の投球は、そのほとんどがストレートです。
作中で、彼が明確な変化球(カーブやフォークなど)を投げるシーンは、ほぼ描かれていません。

しかし、彼のストレートは、単なる直球ではありませんでした。
打者の手元で微妙に変化する「クセ球」であったり、打者がボールの下を振ってしまうほどの「伸び」を持っていたりと、その球質は非常に多彩でした。
彼の決め球は、特定の変化球ではなく、「打者が予測できない、変幻自在のストレート」そのものであったと言えるでしょう。

美しい投球フォームのモデルは実在する?

作中で描かれる、達也のしなやかで美しい投球フォーム。
これに特定のモデルがいるとは明言されていません。

しかし、作者のあだち充先生は、無駄な力が入っていない、流れるようなフォームを好んで描くことで知られています。
達也のフォームは、特定の誰かを模したものではなく、作者が考える「理想の投手像」を体現した、芸術的なフォームなのです。

投手としての最大の武器は「野球センス」と「強心臓」

達也の投手としての最大の武器は、球速や球種といったスペックではありません。
それは、あらゆる状況に対応できる、天性の「野球センス」と、どんなピンチにも動じない「強心臓」です。

彼は、試合の中で相手打者の弱点を見抜き、その場で最適なボールを選択する能力に長けていました。
また、甲子園決勝の土壇場でも、南への告白を考えるほどの余裕を見せるその精神力は、まさに圧巻の一言です。

上杉達也の人間的な魅力(なぜ彼はモテるのか)

彼の真の魅力は、野球の才能だけではありません。
多くの読者や作中のキャラクターを惹きつけてやまない、その人間性に迫ります。

  • 普段の「ダメ兄貴」と試合での「天才」のギャップ
  • 弟・和也へのコンプレックスと深い愛情
  • 浅倉南との関係を決定づけた珠玉の名言集
  • なぜ上杉達也は多くの女性キャラクターから好意を寄せられるのか

普段の「ダメ兄貴」と試合での「天才」のギャップ

普段の達也は、勉強もせず、ごろごろしてばかりいる、どこか頼りない「ダメ兄貴」です。
しかし、一度マウンドに上がると、彼は誰にも止められない「天才」へと変貌します。

この圧倒的なギャップこそが、彼の最大の魅力です。
普段の姿を知っているからこそ、試合で見せる真剣な眼差しや、圧倒的なパフォーマンスが、より一層輝いて見えるのです。

弟・和也へのコンプレックスと深い愛情

達也は、常に完璧な優等生であった弟・和也に対して、強いコンプレックスを抱いていました。
そのコンプレックスの裏返しとして、彼はわざと努力しない、無気力な自分を演じていた側面があります。

しかし、その心の奥底には、誰よりも弟を認め、愛する深い感情がありました。
和也の死後、彼が野球を始めたのは、単なる義務感からではありません。
弟が愛した野球を、弟が目指した場所を、自分自身の目で確かめたいという、深い愛情の発露だったのです。

浅倉南との関係を決定づけた珠玉の名言集

達也と南の関係は、数々の名言によって彩られています。
中でも最も有名なのが、甲子園優勝を決めた瞬間の「上杉達也は…浅倉南を愛しています。世界中のだれよりも。」という告白です。

しかし、それ以外にも、「わかるか?わかんねえだろうな」といった、彼の不器用な優しさを示すセリフや、南を想うモノローグが、作中には散りばめられています。
多くを語らない彼の、たまに見せるストレートな言葉が、読者の心を強く打ちます。

特に、この「上杉達也は浅倉南を愛しています」という告白シーンの背景や南の返事の真相については、こちらの記事で徹底的に深掘りしています。

なぜ上杉達也は多くの女性キャラクターから好意を寄せられるのか

作中、浅倉南だけでなく、新体操部のライバルであった新田由加など、多くの女性キャラクターが達也に好意を寄せます。
彼がモテる理由は、単に運動神経が良いから、というだけではありません。

彼の持つ、普段は見せない「優しさ」や、いざという時に見せる「頼りがい」、そして、どこか放っておけない「危うさ」
これらの複雑な魅力が混ざり合い、女性たちの母性本能や庇護欲をくすぐるのです。

上杉達也を取り巻く人間関係(ライバルと比較)

上杉達也というキャラクターは、彼を取り巻く人々との関係性の中で、より一層輝きを増します。

  • 最大のライバル「新田明男」との関係性
  • もう一人のライバル「西村勇」との違い
  • 他の野球漫画の主人公(茂野吾郎など)との比較

最大のライバル「新田明男」との関係性

須見工業高校の4番打者・新田明男は、達也の高校野球における最大のライ-バルです。
甲子園の決勝で、二人は投手と打者として、互いの全てを懸けた真剣勝負を繰り広げます。

新田は、努力型の天才であり、常に飄々としている達也とは対照的な存在です。
この対照的な二人の天才が、互いの実力を認め合い、高め合っていく姿は、『タッチ』のもう一つの物語と言えるでしょう。

もう一人のライバル「西村勇」との違い

西村勇もまた、達也のライバルの一人です。
しかし、彼は新田とは異なり、どこか人間臭く、感情的なキャラクターとして描かれています。

新田が「孤高の天才」であるならば、西村は「執念の努力家」です。
このタイプの違う二人のライバルがいたことで、達也の投手としての凄さが、より多角的に描かれました。

他の野球漫画の主人公(茂野吾郎など)との比較

『MAJOR』の茂野吾郎のような、常に熱血で、目標に向かって突き進む主人公と比較すると、達也のキャラクターは非常に異質です。
彼は、自らの意志で野球を始めたわけではなく、常にどこか一歩引いた視点を持っています。

しかし、そのクールさの奥に秘めた、誰よりも熱い情熱と、背負ったものの大きさ。
この「静かなる闘志」こそが、他の多くの野球漫画の主人公にはない、上杉達也だけの、唯一無二の魅力なのです。

そして、彼の伝説が続編『MIX』の主人公にどう受け継がれたのか、立花投馬は上杉達也の息子なのかという最大の謎についても、こちらの記事で考察しています。

上杉達也のプロフィールと描かれなかった物語

彼の基本的なプロフィールと、作中では描かれなかった「もしも」の物語について、ファンの考察も交えて深掘りします。

  • 身長や誕生日の公式プロフィール
  • キャラクターに特定のモデルはいるのか?
  • もしプロ野球選手になっていたら?(日本球界のエースへ)
  • メジャーリーグでの活躍の可能性

身長や誕生日の公式プロフィール

上杉達也の誕生日は、双子の弟である和也と同じです。
身長などの詳細なプロフィールは、作中で明確に設定されていません。

しかし、投手として描かれる彼の姿は、非常に均整の取れた、しなやかな肉体を持っていることが窺えます。

キャラクターに特定のモデルはいるのか?

上杉達也に、特定のモデルとなった実在の選手はいないとされています。
彼は、作者・あだち充先生の作家性や美学が凝縮された、完全なオリジナルキャラクターです。

彼のクールでありながら情熱的な性格や、努力を表に見せないスタイルは、その後の多くの漫画キャラクターに影響を与えました。

もしプロ野球選手になっていたら?(日本球界のエースへ)

作中では描かれなかった、彼のプロ野球人生。
もし達也がプロに進んでいたら、間違いなくドラフト1位で12球団が競合したでしょう。

その天性の野球センスと、甲子園を制した実績と精神力。
彼は、1年目から一軍で活躍し、数年のうちには沢村賞を獲得するような、日本を代表するエース投手になっていたはずです。

メジャーリーグでの活躍の可能性

日本で敵なしとなった達也が、次に目指すのは、やはり世界の頂点、メジャーリーグでしょう。
彼の変幻自在のストレートと、何事にも動じない強心臓は、メジャーの強打者たちを相手にしても、十分に通用したはずです。

サイ・ヤング賞を獲得し、ワールドシリーズの舞台で、最後のバッターを三振に打ち取る。
そんな、漫画のような活躍を、彼なら本当に実現してくれたかもしれません。

まとめ

この記事では、上杉達也という、野球漫画史上、最もユニークで魅力的な主人公の一人を、多角的に解説しました。

彼の物語の「その後」については、続編『MIX』での描かれ方や、ファンの間で囁かれる死亡説の真相を解説した記事で、さらに詳しく掘り下げています。

彼の魅力は、単なる野球の才能だけではありません。

弟への想い、南への愛情、そして普段は見せない優しさと、いざという時の圧倒的な頼もしさ。
それらが複雑に絡み合った、深い人間性こそが、私たちの心を掴んで離さないのです。

彼の物語は甲子園で終わりましたが、その伝説は、今も私たちの心の中で、永遠に続いています。

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